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2021-03-28 22:06:00

種苗法改正の対応について(海外持ち出し規制)

2020年12月の種苗法改正にあたり、2021年4月以降、登録品種の海外持ち出しが規制できることとなりました。

キウイフルーツ「東京ゴールド」は、種苗法の登録品種です(登録番号:22590号)。

「東京ゴールド」については、海外持ち出しについての指定国はありません(日本以外の全世界について、海外持ち出し禁止です)。

なお、東京ゴールドの育成者権者は、公益財団法人東京都農林水産振興財団と中村利行です。

 

 

 

もし、東京ゴールドを海外持ち出しを希望される方がおられれば、個別に許諾契約が必要となります。

事前にお申し出いただき、財団と私との間で検討することとなります(なお、私自身はよほどの事情がない限り許諾をしない考えです)。

 

この改正点は、わが国の農産物・食品の輸出拡大が国策上の課題となるなかで、優れた品種の海外流出を防ぐために取られた措置です。

 

直接のきっかけは、平昌オリンピックで活躍した女子カーリングチームが、試合の合間の作戦タイム(もぐもぐタイム)で食べていたイチゴが、日本から流出した品種(ないしはそれらによって交配された品種)ではないかという疑念が浮上したことによるようです。

 

 

 

例えば、わが国を代表するブドウ品種「シャインマスカット」は、中国・韓国や東南アジア諸国にかなり流出しており、「香印(シャイン)翡翠」「陽光バラ」などの名称で果実が販売されているとの報告があります。

このようなことが日本の国益に沿わないことは自明のことと思います。

かつては、山形県のサクランボの登録品種「紅秀峰」がオーストラリアに流出し、その果実が日本に逆輸入される計画が持ち上がり、何も知らないグルメ雑誌が好意的に取り上げたところで、種苗法事犯となった事例がありました(紅秀峰事件)。

こういった事例は、氷山の一角にすぎず、かなり多くのすぐれた品種が日本から流出し、国益を損なってきたものと思われます。

 

私は、育成者の権利が守られることが日本の農業のため、消費者の豊かな食文化のためにもとても重要なことだと考えますし、登録品種「東京ゴールド」の育成者として育成者権の強化をするべきだと思います。

ご理解を賜りますようお願い申し上げます。