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2020-05-13 22:26:00

種苗法改正に関する考え方

ツイッターに、種苗法改正に関する考え方を書きました。

箇条書きのような書き方で、まとまりがありませんが、こちらにも転載いたします。

ご意見のある方もおられると思います。ツイッターあてに返信かリツイートでお願いいたします。

https://twitter.com/takaogrape1

 

 

 

種苗法改正をミスリードしている人の特徴として、「自家増殖」を「自家採種」と言い換えているケースが多いと思います。タネを取る農産物というのはさして多くなく、果樹などの栄養繁殖性植物の方が種苗法改正の影響が大きいことをミスリードするので良くないですね。 

 

「自家採種」する品目というのは、おそらくコメくらいじゃないかと思います。各県が競いあって地域品種を作ってブランド化・高付加価値化で努力をしているのだから、品種の権利を強化しようとするのは当然です。

 

F1が一般的な野菜は、そもそも種苗法は関係ありません。種苗法で品種登録しなくても、品種開発者の権利を守ることができるから。大根、トウモロコシ、トマト、キュウリ、ほうれん草、その他ほとんどの野菜がこれに該当します。

 

種苗法が改正されるとタネが高くなって農家の経営を直撃するみたいな言い方がありますが、だからと言って離農するとか農業生産力が落ちるとかはないと思います。一般に新品種の方が農家にとっても利益率は高いです。

 

農家は、好き好んで新品種を選んでいるのです。消費者はその恩恵を受けて豊かな食生活を送っています。種苗法改正に反対する人は、それを邪魔しないでほしいと思います。

 

農家の自家増殖ができなくなるということはどういうことかというと、果樹の分野では、接ぎ木や挿し木ができなくなるということです。苗木屋から苗で買う、ということについては何ら変わることはありません。

 

農家の自家増殖ができなくなるということではなく、育成者に許諾を得てくれというのがこの改正案の内容です。当然、東京ゴールドについては、申し出られた許諾を与えることにはやぶさかでありません。

 

このページの「3.リーフレット・パンフレット掲載案内」の一番上のPDFをよーく読んで理解してから種苗法を語ってほしいと思います。

 

もう1回書いておくけど、種苗法改正の議論で「自家採種」という言葉が出てきたら、その人はだいたい農業を理解していない人。自家採種している品目の方が珍しいと思いますよ。コメくらいじゃないかな。

 

もう少し、具体的な品目に沿って議論した方が良いと思うよ。例えば「シャインマスカット」は良い品種だと思うけど、育成者はいくら儲けたと思っているのか。もっと儲けさせても良いと思わないのか。

 

キウイフルーツ「東京ゴールド」の育成者である私が、品種登録によって幾ら儲けたか、他の人は知らないし、知ろうという人もいないですよね。もっと儲けても良いと言ってくれる人もいないけど。

 

これからももっともっと新品種が出て、日本の農家が希望をもって農業生産に取り組み、日本の消費者の食生活が豊かになってくれることを本当に期待する。

 

もちろん、自家採種によって農業経営している農家がいるなら、それは結構なことだと思います。普通はやらないんだから、差別化になるし、ブランド化になる。高品質化や収量増になるなら、もっと広がっていい(けど広がってないよね)。

 

果樹の分野で接ぎ木や挿し木という自家増殖を積極的にやっている農家は、技術力のある農家です。そういう農家が影響を受けるというのに、「自家採種」とか書いちゃう人って、ほんと農業しらないようですね。

 

野菜農家ならタネは買うものだし、果樹農家なら苗は買うものだと思っている人が多い。東京ゴールドの育成者である私も、苗を作るのが面倒で東京ゴールドの苗を買ったくらい。

 

シャインマスカットは良い品種だと思うけど、農研機構が出した他のブドウ品種は軒並みダメだった。安芸クイーン、サニールージュ、ハニービーナス、ハニーブラック、他にもあったかな。もっと頑張ってほしい。

 

この意味、分かります。自分も「東京ゴールド」の2号ができたら、それやろうと真剣に考えたことがあります。2号できるかどうか分からないけど。