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2018-08-12 22:34:00
豊洲市場の見学会
8月8日(水)に、小平市野菜組合主催の視察研修会で、10月にオープンする予定の豊洲市場と、築地市場・築地場外を視察してまいりました。
私はJA全農在職中は青果物流通に携わり(現在のJA全農青果センター株式会社)、たった1年8か月の経験とはいえ、この分野も専門だと思っていますので、非常に興味深く見てまいりました。
まず、管理施設棟3階のPRコーナーに入り、担当の方から概要について説明がありました。特に問題になった地下水のことや土壌汚染対策については詳しい説明がありました。
3階には、他に関連事業者として飲食店が入り、金融機関や郵便局が入るようでした。飲食店はすでに什器などが入って、すぐにも開店できるような体制になっている店舗もありました。
次に、水産卸売場棟に入り、2階の見学コーナーから全体を見た後、1階の売り場におりました。
売り場は室温がすでに10度に設定されており、これは年間一定ということでした。
マグロ売り場は床面が緑色に着色されており、マグロの切断面の赤が生えるようにという配慮だそうです。
床面だけではなく、壁やその他の設備もホコリが付かないような配慮や、掃除しやすいような配慮がなされた設計になっていました。
バース(車付け)も良く設計されておりシャッターは自動で開き、冷気が逃げないように空気が流れる仕組みになっているとのことでした。
実際に行くことはなかったのですが、ここの4階が転配送センターになっており、他の魚市場への転送機能が拡充されるようです。全ての魚が豊洲に集まるようになるのではないかと思います。
続いて、水産仲卸売場棟に案内されましたが、卸売棟から仲卸棟へは、道路をくぐるように地下通路が設置されており、外に出ずに行き来できるようになっていました。
仲卸棟も、すでにどこにどの業者が入るか決まっており、主要な什器も新品で入っているところが多かったです。すぐにも引越しして営業ができるような状況でした。
人の歩く道と、ターレットが走る道が区別されており、今までの築地のような危険性は低くなったようです。非常システマチックに設計されており、今後実際に営業が始まればどうなるのか、興味深いと思います。
続いて青果棟に入りました。
青果棟は水産と違って、卸業者と仲卸業者が同居していますが、非常にシステマチックに物流するように設計されているように思いました。
卸売り場には、シティ青果さんが自ら設備した「Fresh Labo」というPRと商品開発のための部屋があり、こだわり野菜のPRなどに使われるようです。
また、超大型の自動冷蔵庫が設置され、2温度帯で確か1000パレット入るとのことでした。
また、ここも確か室温24度に設定されており、コールドチェーンが切れない流通になっています。
豊洲を後にして、築地市場を見学しました。
月並みですが、築地は古く、狭く、ひと言で言えば「限界」なのだろうと思います。当日は台風の日だったのですが、あちこち雨漏りがしていました。
翌週に盆休み(3日間)を控えており、市場在庫は多めになるはずですが、さほどの混乱もないように見えました。ただ、果実については非常に在庫が多いように思いました。
豊洲移転の最大の理由は、築地の狭隘化(老朽化というより狭隘化)だと思います。豊洲は築地の1.7倍の面積になりますが、見た印象から言うと取り扱える分量は2~2.5倍くらいになるのではないかと思いました。
おそらくスーパーなどの期待はもっと大きいと思います。完全閉鎖型の施設で、コールドチェーンが切れず、品物の品質は非常に良くなります。全国から農産物・水産物が今以上に集まるようになって、豊洲で仕入れるメリットも大きくなるはずです。
一方で、私たち生産者からすれば、大産地の対応はこれまで以上に良くなると思いますが、今まであったような小ロットや個人出荷は、きわめて難しくなるのではないかと思います。これが私の印象です。
私は、今後とも直売にこだわり地産地消にこだわっていきたいと思います。
なお、写真はここでは数枚しか掲載できませんが、フェイスブックに多数あげておきますので、ご覧ください。