インフォメーション

2019-07-17 22:01:00

キウイフルーツの企業的経営について (その2)

 


当HPのインフォメーション欄で、1番ではないですが、かなり読まれているページが、昨年4月に書いた「キウイフルーツの企業的経営について」と題したものです。

https://goldkiwi.tokyo/info/1994405

 

日本農業新聞の記事を紹介する形で書きました。宮崎県都農町に進出してきたNZ系のキウイ生産会社によるキウイフルーツ栽培について、うたい文句と地元役場との間での齟齬があるような内容の記事でした。
私のホームページでこの記事が読まれているのは、おそらくその関係に興味を持って検索をかけたり調べたりする人が、多くおられるからだろうと思います。

本日付の日本農業新聞に、続報が出ていました。
もともとNZ側は、国内で栽培させる場合には「1園地2ヘクタール以上」という条件を付けていましたが、これをクリアするには一般農家では厳しいので、これを緩和するように求めるとのことです。
また、耕作放棄地の解消や地元の雇用創出も謳っていましたが、実際には全く進んでいないようです。

この際、はっきり言ってしまうと、どうして都農町はゼスプリさんと組んでしまったのかなと思うわけです。
無理に東京ゴールドをやってくれというわけではないですが、ゼスプリさん以外の品種であれば、1園地何ヘクタールとか、そういう条件は何もありません。果種協に所属する苗木屋さんから苗を買ってもらえさえすれば良いだけです。今からでも遅くないので。

もともと都農町は畜産とブドウの町だと思います。これにキウイを組み込むのはさして難しいことではありません。
例えば、夫婦2人・1ヘクタール規模でブドウ専業の経営されている場合、ブドウを少し減らしてキウイ50アールくらいを組み込むのは難しいことではないと思います。むしろ、作業が平準化してラクになると思います。
ただし、キウイ2ヘクタールというなら、これは難しいです。夫婦2人だけではこなしきれません。

もともとキウイは、5月の授粉、11月の収穫、1,2月の剪定の時期に、集中的に労力が必要になり、これ以外の時期はやることがあまりありません。
おそらく2ヘクタール規模になると、授粉の時期(約10日間程度)だけは、家族だけではこなしきれません。失礼ですが宮崎県の田舎町で、この時期だけ集中的にバイトに来てくれる人がいるでしょうか。繰り返しますが、この時期だけです。収穫も、ある程度は時期の余裕はありますが、やはり家族労力だけというわけにもいかないと思います。繰り返しますが、非常に短い期間だけの話です。

企業的経営にして効率的な栽培、というのは聞こえは良いですが、実際に農業をやっている者からすれば、家族経営の中で労力の配分や農地の適性などを考慮して品目を考えるというほうがむしろ効率的で、合理的な考え方だと思うのです。
東京ゴールドをやってくれとまでは申しませんが、キウイの品種と、組む相手を再考なされたらと思わないわけにはいきません。

 

 

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